診療内容
予防歯科 予防歯科・メンテナンス
近年、日本でも「予防歯科」の概念と習慣が根付いてきた印象があります。
予防歯科とは、痛みや不具合など具体的な症状が出る前に、歯科医院での歯科検診やクリーニングを定期的に行うことです。具体的な症状が出てからの治療は完 治までに時間がかかりますので通って頂く回数も増えますし、その分治療費もかかってしまいます。一度治療をした状態から3ヶ月に1回程度の頻度で定期検診 とメンテナンス・クリーニングを受けて頂くことで、虫歯や歯周病になりにくい口腔内を維持することが出来ます。
また、万が一虫歯になっていたとしても、早期に発見することが出来ますので、1回の治療で終わることが多くなっています。
子供のうちは、歯が生え始めた時から予防のためのフッ素塗布などをすることをお勧めします。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいませんが、 周りの大人とのスキンシップや、大人が使った箸やスプーン、お母さんが柔らかく噛んだものを移して与えることにより、虫歯菌に感染してしまうのです。
赤ちゃんのお口に歯が生え始めたらその都度フッ素塗布を行い、全ての歯が生え揃った後も年に3~4回の頻度でフッ素塗布を行うとより効果的に虫歯を防ぐこ とが出来ます。「悪くなってから行く」ではなく、「予防のために歯科医院に通う」という意識を持つことがとても大事です。健康な口腔環境を維持するために、 予防歯科を積極的に利用して下さい。
プラークコントロールが何よりも大事です
毎日歯を磨いているのに虫歯や歯周病が発生してしまうことに疑問を感じたことはあり
ませんか?
実は、毎日の歯磨きだけで口腔内の隅々までキレイにすることは、とても難
しいことなのです。
歯の隙間や奥歯、歯の裏側など、歯ブラシが届きにくい場所には、
みがき残した汚れが蓄積されて歯垢(プラーク)が溜まり、歯垢は血液や唾液からカル
シウムを取り込んで石灰化して「歯石」となります。
その歯石の上に更に歯垢が溜まっていき、さらに歯石になり・・・という悪循環が発生 することで、口腔内の衛生環境はどんどん悪くなっていきます。
歯垢1mgの中には1億個の細菌が棲み着いていると言われています。
この細菌が口腔内
の糖分などを栄養として酸を出し、歯のエナメル質や歯を支えている骨を溶かしていき
ます。
このようなことにならないために、予防歯科で定期的なクリーニングを受けて口腔内を 清潔に保つことが、歯と口腔内全体の健康を守るためにとても大切です。
お口の健康と全身との関わり
様々な研究が進んでいる近年、口腔内の健康状態と全身の健康状態が密接に関係してい るということが明らかになりました。
例えば歯周病と糖尿病の関連性です。
糖尿病の人は歯周病になりやすいと言われますが、糖尿病の人は身体を守るマクロファ
ージの機能が低下しているため口腔内の歯周病菌に対抗する力が弱く、歯周病になりや
すいのです。逆に歯周病の人は、歯周ポケットで歯周病菌が出す炎症性物質が血糖をコ
ントロールするインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させてしまうのです。
従って、歯周病を改善することにより血糖がコントロールされ、糖尿病の症状が改善さ れたり、逆に糖尿病をコントロールすることにより歯周病が改善されると言われていま す。他にも、歯周病が心疾患や骨粗鬆症を引き起こしたり、悪い噛み合わせが顎の骨に 負担をかけ、バランスを取るために全身の骨格にも悪影響を及ぼし、頭痛や肩こり・腰 痛の原因になってしまったりと、口腔内の健康が損なわれることにより、全身の健康に も悪影響を及ぼし合うのです。
このようなことから、痛くないからといって放置せずに、全身の健康維持のために口腔 内を健康に保っておくことが大切です。